5〜7月まとめ② 修士修了リサイタル

チェンバロ

6月の一大イベントは修士課程の修了リサイタルでした。

私の通っているパリ国立高等音楽院では2年間の修士課程を経て、論文と45分間の修了リサイタルを行います。

チェンバロの場合は通奏低音も45分間のリサイタルを行わなければならず、1ヶ月の間に合計90分のプログラムを準備するのを避けるために1年目に通奏低音の修了試験を受けることが許されています。

私も実際に負担を避けるために1年目に通奏低音のリサイタルを行なったので、余裕を持ってチェンバロソロのリサイタルに集中することができました。

修了リサイタルは自由にプログラムが組めますが、45分間というのは長いようで短く、プログラムを作るのにかなり迷いました。(フランスの組曲を1つ弾こうとすると約20分、それにバッハの大きい作品やバロック初期の作品を入れてバリエーションに富んだプログラムを作ろうと思うと全然時間が足りません)

試行錯誤を重ねた結果、18世紀フランスの小品、バッハの大きな組曲、イギリスの1600年ごろの作品を選びました。

特にフランスの作曲家ジャック・デュフリ(Jacques Duphly)の『三美神』という思い入れのある曲を演奏できたのが何よりの幸せでした。この曲はバロック音楽に興味を持ってチェンバロを始めた高校時代の私に、チェンバロを本当に好きになるきっかけを与えてくれた曲であり、フランスに留学したいと思わせてくれた特別な曲です。

その他、3年前に初めて演奏会で演奏した、すでに自分のレパートリーになりつつある(?)ジョン・ブル(John Bull)の大作『ウォルシンガム』や、バッハの『イギリス組曲第6番』など、これから長く付き合っていくであろう曲たちに取り組みました。

これでチェンバロ科の学生としての生活は終了です。これから立派にプロとして活動できるよう頑張ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました